もちつき(寒餅、笹もち、いろいろな餅)
もちはお祝いや祭など一年に何度もついて食べました。杵と臼は一家に一台あって、一度に何升もついては親戚に配ったものです。新しい笹が出てくる6月の笹餅や、大寒の頃つく寒餅は特別なものです。
材料
▼のしもち
- 餅米
- 適宜
- 青のり、しそふりかけ(ゆかり)、干しえび、大豆(青大豆、黒豆でも良い)
- 適宜
- 片栗粉(もちとり粉)
- 適宜
▼つけるもの
- 小豆餡
- 適宜
- 大根おろし
- 適宜
- 醤油
- 適宜
- きな粉
- 適宜
- 砂糖
- 適宜
道具や素材のアドバイス
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餅つき器(または杵と臼)
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水の入ったボール:相の手を入れるときか、餅つき器を使用する時、餅をとる時、ちぎる時などに使います
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平らな板:ついた熱い餅を伸します
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のし棒
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ふるい、ブラシやはけ:片栗粉は餅がくっつかないように使う片栗粉をふったり、余計な粉をとったり、掃き集めたりします
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新聞紙、ビニール(風呂敷):床が汚れないようにブルーシートをひいたり、新聞紙やビニールは餅をのしたり、冷ましたりする際いろいろ使います
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ゆかりは米1升に約一袋、青のりは1/2袋、干しエビは1袋、豆は1合ほど使います。何れもお好みで量は加減できます。
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色だけ付けたい時や、自然材料だけでは色が薄い時は、食用の色粉を使う事もあります
▼切り餅
▼笹もち
▼餅の蒸しかた
▼干しエビの餅と伸しかた
▼豆餅
▼ちぎりかたと餡のつけかた
杵と臼で餅をつく
- 餅米は前日にとぎ、充分吸水しておきます。冬場のほうが吸水が悪い
- 蒸し器に湯を沸かす。蒸し器に蒸し布を引き、ザルにあげた餅米を入れる
(餅米の中央を少しあけると蒸気が全体に回りやすくなり、早く火が入る。蒸し器に入れる米の量があまり多いとムラになることがあります。写真は一升の米)
- 沸騰した蒸し器で餅米を約18分蒸す(様々な条件によって変わる)。餅米を少しつぶしてみて、ねばりがあれば火からおろす
(餅米の量が多い場合は途中全体を混ぜ、場所を入れ替える)
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木の臼は使う前に水洗いし内側をぬらしておく。バケツなどに水を用意し杵も同様に水を含ませておく。(餅がくっつかないようにするため)
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ふかしあがった熱々の餅米を臼に移し、水をしっかりとつけながら腰を低くしてすりつぶす
いきなり杵を振り上げてもつけません。臼の回りを回りながら丁寧にすりつぶします
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杵を振り上げて重みを利用して力強くつき落とす。つく度に相の手は、水をつけた手で餅を少しずつ移動させてやります
- 餅米の粒がなくなり、粘りと張りが出てなめらかになったらつきあがり。手早くつかないと堅くなります
- すばやく餅を取り出し伸し板に移す。この時、片栗粉を振ったビニールの上に置くと冷めてから扱いやすい
- 餅の上にも片栗粉をふるい、手早くのし棒で好みの厚さに伸す
- 粗熱がとれたら、切る時まで新聞紙をかけ、乾きすぎないようにする
- (翌日)20時間ほど経つと餅が固まってくるので、余分な片栗粉を落とした後、包丁で切り分ける
餅つき器でつく
- 杵でつくときと同様に米を蒸す
- 餅つきの釜に水を少量散らしておき、餅を入れ蒸気の上がりがおさまる程度まで待つ
(餅つき器は水分が飛びにくいため、すぐにスイッチをいれると水分の多いやわらかい餅になることがある)
- 餅をつく。以降は杵つきと同様
具入りの餅、豆餅などを作る
- 干しエビ入り:最初にフライパンで軽く煎っておくと香ばしくなる
- ゆかり入り、青のり入り:機械づき(餅つき器)なら、最初の米が粒の状態の時から入れるとよく混ざる
- 豆入り:大豆は前日から水に浸しておき(冬場20時間ほどかかる)、米を蒸す際ふきんに包んで一緒に蒸す。米より早く火が入るので頃合いを見て取り出す。豆はつき上がり直前に入れないと形が崩れてしまう
1.〜3.はあられやしんもちを作る時も同様です
小豆餡やきなこのつけかた
- つきたての餅を冷めて堅くならないうちに、手に水をつけながら手早くちぎり、丸める
軍手のうえに食品用薄手のビニール手袋をして作業をすると熱い餅も扱いやすい
- 用意しておいたきなこ(砂糖入り)や、餡にくぐらせて盛りつける
小豆餡は温めて、水分多めで少し柔らかくしておいたものがつけやすい
知恵袋
餅は非常にカビやすい食べ物です。昔から”大寒”(一月の末頃)につく餅はカビにくいと言い、その頃つく餅を”寒餅”と呼びました。また空気に触れないとカビが発生しないため、最近の家庭ではつき上がった餅を粉にとらず、つきたてを直接ビニール袋に入れて、その都度切って食べる人も多いです。
餅はお祝いなどや、お正月、大寒、田上がりなど一年の決まった頃に夏冬問わずついたものです。春は草餅、初夏には笹もち、好みできな粉や小豆のあんこ、醤油で味をつけた大根おろしのおろし餅は人気です。家によっては胡桃味噌、砂糖醤油、醤油とのりの磯辺巻きと家族の好みに合わせて楽しみます。
昔の農家は餅米も自分の田でつくり沢山有ったので、一年間頻繁に餅を搗いて食べました。“寒の餅”“節句の餅”“祭りの餅”“田休みの餅”“お盆の餅”“秋節句の餅”“正月の餅”そして、“婚儀の祝い餅”“建前(棟上げ式)の振る舞い餅”。餅は、おもてなしやお祝いで、ご馳走として食べていたのです。
私が小学生の頃は、杵と臼で、父たちが餅つきをしていた姿を思い出します。(世詩絵)
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2005年3月13日 「ホンモノはうまいよ!もちつき」にて取材
- 2009年1月23〜25日 料理…きよこさん、世詩絵、柴ダン、取材・編集…やっこ、よーくん
「もちつき(寒餅、笹もち、いろいろな餅)」へのコメント (2件)
世詩絵さん。コメントの一部、本編に反映させていただきました。
編集長 | 2009年01月29日 12:35
編集ご苦労さまでした。
餅米を使った料理・加工品は、
沢山有りすぎて、まだまだ取材出来そうですね。
“粉餅”“お赤飯”“五目おこわ”“お供え餅”“お汁粉”“ぜんざい”等々!
“お雑煮”一つ取っても、各家庭・地域で入れる具が、全然違うから面白いし!
昔の農家は、手作業だったから、餅米も自分の田でつくり、沢山有ったから、
一年間、頻繁に餅を搗いて食べていたと聞きました。
“寒の餅”“節句の餅”“祭りの餅”“田休みの餅”
“お盆の餅”“秋節句の餅”“正月の餅”
そして、“婚儀の祝い餅”“建前(棟上げ式)の振る舞い餅”!
餅は、おもてなしやお祝いで、ご馳走として食べていたのです。
私が小学生の頃は、杵と臼で、父たちが餅つきをしていた姿を思い出します。
世詩絵 | 2009年01月29日 10:17