たくあん(沢庵漬け)と大根干し
たくあん(沢庵漬け)はお茶うけに、ご飯のお供に欠かせない保存食です。漬物の王様と言ってもいいかもしれません。漬け素は旨味調味料の味が素材や料理を台無しにしてしまうことがあります。低農薬の糠や干し野菜と一緒に漬けて自然の旨みを楽しみましょう。わがやの味を楽しむのにもってこいの漬物です。
材料(4人前)
- 干し大根
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- 米ぬか
- 干した大根の10〜15%
- 天然塩
- 干した大根の4〜5%
- たかのつめ
- 大根2本に1本くらい
- ウコン
(ターメリック) - 塩500gに
10〜15g - 野菜の乾物
- ナスのへた、柿やリンゴ、みかんの皮など
- 大根の葉(青く干せたもの)や唐辛子の葉適宜(無くてもよい)は蓋菜(ふたな)にする
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道具
- タル、押し蓋、蓋(タルは大根1本1リッターで換算)
- 漬け物用ビニール袋(樽ひとつに2枚・二重にして敷く)
- 重石(大根+ぬかの1〜1.5倍の重さの石を2個)
- 樽に被せる新聞紙+ビニール+ロープ(遮光と匂い封じのための新聞と、ホコリよけのビニール)
材料について
- 昆布や砂糖も材料に加える地域もあるようです
- 色と風味付けにウコンを使っていますが、ナツメの実を使うという人もいます
- 昆布や砂糖も材料に加える地域もあるようです
自然の中で干した大根は葉を包丁で切り落とし洗わずに漬け込む
大根干し(扱い方、干し方)
沢庵漬けに適した細くて長い大根(直径5cm長さ60cmにもなる)
- 収穫した大根は洗って2本合わせて葉を縛り、屋外の風通しの良い所に吊るす。
11月上旬に収穫した大根はおよそ2週間干す。
- 大根は傷をつけないように扱う。傷がつくと漬けている途中で悪くなったりする。長い根も切らないでおけば余計な水分を吸収する役目も果たす。
- 「つ」の字は弱め、「の」の字は強めの乾燥状態。乾燥しているほど長く保存がきく。歯ごたえも良いが好みで調整する
- 雨が降ってもそのまま干して置いてよいが、霜が降りる晩は取り込むか、ビニールをかけて保護する。
漬け込む少し前に取り込んで表面に水がついていない状態にする。
作りかた
- 塩にウコンを混ぜておく
- 樽に新品清潔な漬物用ビニールを敷き込む
- 塩を一握りと糠を軽く敷く
- 大根を丸めながら敷き詰める
- 敷き込んだ大根の量を見て、相応する塩を振りまきなでる
- 赤唐辛子を半分くらいにちぎり、相応量ばらまく
- 乾物を相応量ふりまく(一番上を等分より少し多めにするので加減良く)
- 糠を相応量敷き詰める(一番上を等分より少し多めにするので加減良く)
- 4〜8繰り返し
- 一番上の糠の上に蓋菜を敷き詰め平らにして押し蓋をのせ空気を抜いてビニールの口を閉じ重石をして、冷暗所で保管
漬けた後の管理と食べ方
- 【2〜3日目】大根の水分が多い(干しが足りない)と、すくえるほど水が出るので、溜めておかずに捨てる
- 【1週間〜10日くらい】水が出尽くしたら重石を半分に減らす
- 【約一月】美味しくなって食べられるので、取り出して糠を洗って好みの厚さに切って食べる
- 【桜の咲く頃】樽から出して糠ごとタッパーやビニールに密封し冷蔵庫に保存する
知恵袋
大正13年生まれの母の作り方です。
頸城村(上越市頸城区)にある母の実家は米も作る農家で、塩とタバコの専売店もしていました。
それでも昔の塩は今ほど安価に感じられるものでは無かったと思われ、対して糠は農家ならば捨てるほどあったので、昨今インターネットで調べると出てくる手順の「糠と塩を使用量混ぜて使う」ということは無かったのではないかと想像します。
「塩はある程度の使用量は決めるけど、糠は量る必要なし」というスタンスで、その塩の量も、今回は私が調べて平均的な分量を計算して出しましたが、母は「塩を握って大体な感じでまく」と教えてくれます。「だから毎年味が違うでしょ」と威張ります。
大根の種類や天候などによる成り具合、干すときの天候などのコンディションも毎年違うので、たとえ塩や他の材料の分量を厳密に決めたとしても、同じ味にならないんだから無駄、みたいな(^^)(黒谷)
その分量や割合など、そのご家庭の食の好みで違ってくるものなので、自家消費した分のものを使えば、そのまま我が家好みの風味を出してくれるのではないかと思います。
色づけのウコン(ナツメ)なども冬の健康には有用なものだと聞きますし 柿の皮にはビタミンCやポリフェノールが含まれ、みかんの皮は陳皮(チンピ)と呼ぶ漢方薬になります。
長期保存を望む場合は、大根の8%まで塩分を上げるようです。長期熟成させた(長いこと残った)沢庵を塩出しして、ゴマ油と砂糖と醤油で炒めるのも美味しいです。
霜が降りたら大変。ということで、霜の降りそうな晩は干している大根の上にビニールなどで覆いをして保護します。
『大根のポンポン』「大根がポンポンになっちゃった〜」とこの地域の人はよく言います。ポンポンとは大根の芯に空気が入りコリコリとした食感が無くなってしまった状態のこと。こうなると大失敗で、せっかく作った大根も"ポンポンで100本捨てた"とか言う話を耳にする事もあります。干すときに温かい天候が続いてスが入ってしまわないよう、種まきから収穫時期の事を考えて育てるそうなのですが、その年の天候に左右される大根干しは運もあるようです。
- 2012年11月25日小濁発酵文化研究会 指導…黒谷明、取材…よーくん、やっこ、みーちゃん(いえあじプロジェクト)