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オニグルミ(鬼胡桃)

オニクルミ(鬼胡桃)無しに、妙高の昔からの料理は作れません。それでいて、手間がかかり手に入りにくいため、美味しいものを使いたい時には自分で作るのが一番です。
オニグルミ(鬼胡桃)の作り方

(参考画像)

オニグルミ

解説と情報

剥き方

  1. 前日に水につけておく。浮いてしまうので、網などで押さえる。
  2. フライパンか火の当たりの弱い鍋を使い、殻ごと中火で転がしながら煎っていき、口が写真のように開いたら包丁の背、スプーン、テーブルナイフ等の固くて薄い金物でこじ開ける
  3. 千枚通しのような鋭いものでほじくる。(左手で枝の付け根を下にするようにクルミをしっかりと持ち、千枚通しを右手の人差し指で支えて持ち、下のほうからほじくる。左右行う/写真)
    形を崩さずに取ることはできません。口が開かないものは腐っている事が多い

以下、クルミ剥き作業で気がついた事を書いておきます。

  • 慣れた頃にうっかり指をさしてしまうので、気をつけましょう。
  • 鬼クルミを水につける場合、出ている部分があると割れにくいので、殻の全体が水につかるようにする。
  • 煎りかたが足りないと、実に水分が残ってしまうのでカリッとならない。
  • 実についている薄皮がはがれてしまったら、無理にとらなくてもよい。(薄皮はごみごみしてそれだけでは食感が悪い)
  • 串は握ってみて力が入りやすく、疲れない持ちかたで作業する。
  • 火にかけても割れない頑固な鬼クルミは最終的に金づちで割るが、くだけた殻が入りやすいので注意する。

採取、特徴

秋深まる10月〜11月頃、木の下に行くとあちこちに直径5cmくらいの熟れかかった黄緑色の実が落ちています。それを拾って実を腐らせ中身を取り出します。(写真は2008年10月13日)
オニクルミの実は川に流されたところで発芽して生長することも多いので流れのゆったりした川岸にも沢山見られます。少し山に入ると道の脇にたまにあり見つけやすいので、実の入手が特に困難なものでもありません

青い実が付いている状態では中身が取り出せないため、果実の部分を腐らせます。腐らせるには、肥料袋のような丈夫なビニールに詰め込んで、湿った所に放置しておくのが一般的です。1ヶ月ほどで黒く溶けるような感じになってきますので、もんでから水で洗い流します。昔からその作業をしていた人に聞くと必ず「川で洗うんだよ」と教えてくれます

栽培種のクルミに比べて、天然のオニグルミは殻が固く実も小さいため、実を取り出すのが大変苦労しますが、味は濃く個性的。妙高の笹寿司の五目、クルミ合えといった料理には欠かせません。他の胡桃で代用もできますが、本当に物足りない味がします

割ってないオニクルミが手に入ったら、ここに書いた方法で試してください。最近は直売所などで手に入りやすくなったと思います。

オニグルミ(鬼胡桃)の採取

知恵袋

「くるみ」は普段の料理に必要な素材なので、「さぁ今日はくるみ拾いだよ」という時は、落ちているもの以外にも、竿で落として拾うこともあります。青い未熟なくるみは味が薄いと言います。

くるみほじりは、おばあちゃんの冬の仕事。秋に胡桃を拾って腐らせ、川でザルを使って皮を洗い流します。雪で外仕事が出来ない冬のある日、胡桃を一斉に煎って二つに割りおばあちゃんに預けておくと、お茶をのみながらテレビを見ながらコツコツコツコツとやってくれるんだそうです。

柿などのように、成り年(なりどし)があり、毎年必ず決まった量が採れるとも限りません。オニクルミは驚くほど油を含んでいて、冬のカラスがいつも突っついています。どこかから見つけてきては車道に落としてタイヤにひかせて殻を割ったり、集めた胡桃の食べ殻が屋上の一箇所にどっさり貯まっていることもありました。

  • 2004年11月 取材・撮影 村越(ねおかんぱーにゅ南部)
  • 2008年2月 わがやの味へ転載
  • 2008年10月13日 猿橋の稲葉さんとくるみ採り
  • 2009年1月24日 ねおかん「クルミの会」にて取材/やっこ、きよこさん、世詩絵(協力 TJ多佳子)
  • 2008年2月6日 追加と再編集
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